世界は2種類だけです




2年後にはきっとパリに住み始めたばかりで毎日全て新鮮だけどクタクタで不安で、そのうちに犬のふんと観光客に嫌気がさしてベルリンに移り住む。
犬の調教のための言語と言われるドイツ語の響きとビールへの興味のなさと壁の痕のせいでなんとなく落ち込んでるうちに鬱病発症してパリに戻った勢いで凱旋門の屋上に鍵盤を持ち込んで演奏したせいで検挙されるけど日本語で怒鳴り返したらなんか釈放される。もうこの時代からあとはずっとひどい躁鬱を繰り返してそう。
少し歳をとって白髪が増えたなー全部真っ白になればいいのにーと思ってたら肺が痛くてどうしようもなくって病院でもう手の施しようのない癌が見つかって、悩んだ末にバルセロナに移住。
高台の海の見えるホスピスで延命治療を受けながら退屈で穏やかでもう心はゴルゴゾーラ・チーズの比じゃないほどいい感じに熟れて麻痺してしまった自分を客観視しつつピアノを弾いて暮らす。1日一曲録音してアップロードしてるうちにいつの間にか死んでるのかな。無宗教だったけど大聖堂でお葬式してくれて構わないよ。しなくても構わないよ。
私が死んだあと、それが世界中のイヤホンとスピーカーから流れて電波ジャック、さよなら、そこにはもうなにもいないよ。